代表挨拶

「構造設計」をもっと分かりやすく

建築の設計は、意匠設計・設備設計・構造設計の3つに分けられている。
世間では構造設計という分野があること自体、知らない人が多いかと思います。

従来の構造設計は、国で定められた建築法規に基づいて地震に対する安全性を確保する、いわゆる仕様設計が行われてきました。
構造設計者は、すでに決められている計画や法規に沿って裏方で計算を行うマシンのような存在であり、設計者の名前すら残らないことも多く、計画段階から建て主の前に出て提案・意見するような機会など、ほとんどありませんでした。

建物には必ず、建物形状や種別、地盤によって決まってくる弱点があります。
計画の段階から、構造設計者が携わり、効率よく弱点に対処することによって、さらなる建物強度アップやコストの削減につながります。
構造設計者が計画の段階で、想定される耐震性能や居住性、そしてコストまで…建て主にきちんと説明して、理解していただく。そして、建て主の要望に沿って構造をデザインする。
これからの時代、このようなプロセスで設計を行うことがとても重要であると考えています。

AIの普及が進む今後、従来のマシンのような作業だったら、構造設計者など要らなくなるかもしれません。
「会社に持ち帰ってコンピューターで解析してみないと分かりません。」
「AIがいないと、、、」
私は、これではいけないと思います。
人間が今まで培ってきたもの…経験・勘は非常に大切です。
なんとなく、こんなボリュームであれば安全かな、日常暮らしていく上で問題ないかなという意識的、感覚的なもの。
もちろん計算数値の裏付けがあっての話ですが、コンピューターの解析結果と比較してもそう大きくずれたことはありません。
先代から受け継がれたもの、自身が今まで培ってきたものを大切にして、その場でより良いものを、より分かりやすく、迅速に提案できるように依頼者様に寄り添っていけたらと考えています。

弊社は、まもなく創立40年になります。今後ともご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

株式会社HAL構造設計
代表取締役 岡本知應
(おかもとともたか)